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*** 1_love's blog ***

言いたいことがあるのは好きだからだと思っている、ほっとけないからだだからとにかく言いたいことは書く


by 1_love

新橋でのハリ治療のあと海外ブランドばかりの銀座を少し歩いて思ったこと。

新橋でのハリ治療のあと銀座を少し歩いて思ったこと。

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約30年前、東京コレクションのテントでアルバイトしてたある日、
確かイタリア人(?)のファッションのカメラマンFranco Rossiさんという方に
「東京で一番おしゃれな人が集まる所を教えてくれ」と言われた僕らは、
声を揃えて「原宿」「竹下通り」と答えた。

しかし、彼は、
「そこにはもう昨日行った。Tokyoにもあるだろ?メルローズ通りとかそんな感じの。
世界中どこに行ってもそういう場所ってあるからね。」

彼は、街角でのお洒落な人のスナップ写真を撮りたいということ。
しかし、僕らはみんな唸ってしまい彼が望むような場所を教えることはできませんでした。

今でこそ、「KAWAII」を目指して海外から竹下通りに取材が来ますが、
当時はまだ普段の会話の中で「カワイイ」を使うには
若干の配慮が必要だった気がします。

「MANGA」も「ANIME」も世界で使える言葉じゃなかった。
彼の望むような場所、
教えてあげられるような場所は原宿以外に日本にはないし、
それは今もあまり変わっていません。
たぶん。
そして、それはその時彼が撮りたいモノとは全然違った。

日本でおしゃれに敏感で
それを楽しんでいるのはバイト代全部、
服につぎ込んじゃうような若い世代だけ、
世界では、可処分所得の多い高収入な人が中心。
「このワンラック全部ちょうだい」という様な所謂大人買い。
日本ではファッションが
世界の他の場所とは違う進化をしてた...
今で言うガラパゴスだったんですね。

じゃぁ、彼が撮りたいと思うような場所って
日本に、東京にある?それは必要?

ずっと、この自問が心の中にあったことを、
今日、銀座界隈を歩いてふと思い出しました。

Armaniのジャケットはやっぱりうっとりする肩線、袖付けだし、
COACHのディスプレイは写真に撮りたくなるような
店舗内ディスプレイには珍しい縦構図、
Diorのキラキラビルも見ててウキウキしてきます。
Ginzaは街並みだけならRossiさんが
撮りたくなるような場所になったのかなと思います。
まぁ、今の表参道もそんな感じでしょうか?
海外有名店が大きな間口を構え
ビル全体でフルブランド、フルラインナップを見せる...

ここ、Ginzaで彼の思ったような写真が今取れるんでしょうか?
それは世界で見せられる価値あるものなのか?
あるいは他にそういう場所があるのか?
そんな価値を考えることが勘違いなのか?
いろいろな意見があると思います。

誤解のないように言っときますが 
"大きな間口"が正解でそれだけが
目指すべきカタチだなんてちっとも思ってないですよ。

それに、大きな間口のビルを持つことなんて
別に問題にしてないデザイナーの方が多くいる気がしますし、
そこに価値があるかどうかは違う話なんです。

ただ、日本発でユニクロ以外にこのスタイルのビジネスをやってるところを
思いつかないのが複雑な心境なんです
もっと言うと「老舗」の入り口に立ってるような
メゾンってもう日本に産まれてこないんでしょうか?

あのクリスチャンディオール本人が生きて仕事をしてたのはほんの10年ほど。
それを引き継いだサンローランは、数シーズンのコレクション発表のあとは徴兵され、
帰還後、ボクが生まれた頃には独立してスタートしていました。

二人ともボクの小さい頃には「老舗」扱いだった気がします。
多めに見積もってもその時点で創業15年くらいじゃないでしょうか?

日本では未だに、みんな必死でモノ作って頑張っているのに、
それを理解できるビジネスマンがいないんでしょうか?
いればきっとGinzaにはもっとたくさんの日本ブランドがビルを作っていて
海外ブランドの入る隙間なんてあんまりなかったんじゃないでしょうか?

そう、Ginzaを歩いて、海外ブランドばかりの町並みにちょっと考えてしまったのでした。
by 1_love | 2014-01-23 01:29 | fashion...?